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アメリカ農家がトランプを支持した理由と不安

以下、2016年11月27日、東洋経済ONLINE、「米国農家はなぜトランプを熱烈に支持したか TPP離脱宣言で、期待から一転不安に」を読んでの感想です。

支持した理由として、なるほどなと思ったのが、以下の引用部分です。

農村は伝統的に共和党支持者が多い。民主党が労組や都市の環境団体の支援を受けて、農地からの排水や農薬使用、家畜の飼養、食品表示などの基準を厳しくし、農業経営を圧迫してきたという思いが強いからだ。特に民主党オバマ政権になって、「農村を見捨てて都市寄りの政策を強めた」(イザベルさん)という不満が地域にうっ積していたという。

イザベルさんの話を聞くと、トランプ個人への支持と言うよりも、現政権への反発が、農村の人たちを反クリントンへと突き動かしたように見える。

 

オバマ政権への不満を変えたい」これが動機にあるのだと、記事から伝わってきます。

引用部分で気になったのが「農業排水、農薬使用、家畜の飼養、食品表示等の基準を厳しくし」の部分。
オバマ政権は大統領就任時から環境対策に積極的に取り組む姿勢を見せたり、パリ協定を批准したりとしていました。
その際に発生する規制の矛先が農家に向いていたのであれば、そっぽ向かれるのも無理はありません。
だからこそ、オバマ政策を引き継ぐヒラリー・クリントンよりも、トランプに期待している部分ではないかと考えます。

 

次に気になった部分はこちらの引用部分

米国の酪農や園芸農家の多くは、現場作業の多くを、メキシコなどからの不法移民の労働力に依存している。選挙戦でトランプ氏が主張していたように、彼らを一挙に送り返すようなことになれば、経営は立ちゆかない。

 

こちらは引用元タイトルにある「期待から一転不安」の不安の理由です。
労働力の確保は、世界中の農家の問題だと考えます。その問題を現状解決している方法が、トランプが追い出すと言っている不法移民が担ってる、これはなんとも考えものです。
安い賃金で雇え、職場から逃げたとしても変えはいくらでもいる。働きたい意欲はあるので、いくらでも集まる。
他にもあまり表に出せない理由もあるでしょうが、そんな労働者を当てにしているのが現状なのでしょう。

このトランプ支持の期待と不安の部分を天秤にかけた結果が今回の大統領選の結果なのだとしたら、アメリカの農家に対してどんな規制強化をオバマ政権はしていたんだろうかと考えてしまいます。
TPPについては落選したクリントン陣営も脱退すると言っていたので、比較材料にはならないと考えます。
すると、引用元にもある通り、環境規制が農家に対してよほど辛かったのかもしれないと考えます。

今後、アメリカ国内で不法移民に対する取締が厳しくなれば、アメリカの農業者達は掌を返す、かもしれません。
その時の鎮火の為に、農家に対する環境規制等の緩和を打ち出してくるのでしょうか。

そんな環境下で作られる農作物が世界に回るというのは、何か釈然としないのが、個人的にあります。

参考リンク
引用元記事

toyokeizai.net