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農薬もジェネリック!JA全農、開発費を抑えた割安なジェネリック農薬を追加開発

以下、2016年8月18日、SankeiBizより引用

 

 全国農業協同組合連合会(JA全農)は17日、開発費を抑えた割安なジェネリック農薬(後発薬)について、今後3~5年で最大10種類程度を追加開発する方針を明らかにした。農薬の商品化に必要な成分登録の取得数を現在の2種類から大幅に増やす。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)で輸入農産物が増え、国内農家の経営が厳しくなる恐れがあり、安い生産資材の提供拡大で農家の負担軽減を目指す。

 

全文はこちらから

 

数日前からJA全農が発表している生産資材価格引き下げ取り組みの一つ、ですかね。

 

一般的に病院で出されたり薬局で買える薬の中で、先発医薬品の特許が切れたあとに、先発医薬品と同じ有効成分を使った薬のことを、ジェネリック医薬品っていいます。

似たようなものにデザインの意匠権が切れた家具を価格を抑えて制作した家具をジェネリック家具、なんていい方もします。ジェネリック家電はまたちょっと違いますね。

 

ジェネリック農薬自体は園芸用殺菌剤の「ペンコゼブ」や「ジェイエース」等がすでにあります。 が、どうやらこの後があまり続いてなかったようです。

 

引用元を見ると、ジェネリック農薬を作ったとしても登録前の安全性試験等でコストが最終的には新薬とほぼ同等なる、という要因があるようです。 これを農林水産省規制緩和を要請し、価格面でのメリットにつなげて、ジェネリック農薬につなげる、という流れですね。

 

TPPが本当にスタートした場合、安い農作物以外に、安い農業資材も入ってくると考えて良いはずです。

東北農政局のTPP説明会でそんな話ありましたな。

 

しかし、安全性等や使い勝手の問題から、国産の農薬を選びたいという農家さんだっているはずです。 ここで農薬コストはそれぞれの努力でなんとかしてね、では、混乱も生じますし、小規模農家に取ってはますますコスト面で圧迫されることが目に見えます。

それに対するJA全農の回答の一つとして、ジェネリック農薬の規制緩和、追加開発であるならば、期待しても良い内容だと考えます。

ただし、ジェネリック医薬品にもある問題として、成分が同じで効果が同じと言われていても、先発医薬品とジェネリック医薬品とは違う物である、という認識は必要と考えます。 ジェネリック医薬品に変えて体調に変化があった、というケースが有るように、ジェネリック農薬に変えて農作物に変化が出たという事も考えられます。

 

このような問題を個々が技術として解決するのか、それとも既存の農薬を使い続けるかは、その時にならないと判断ができません。 その時が来た際、柔軟な判断ができるよう、可能なかぎり情報は集めていきたいです。

 

参考リンク 引用元記事